年会長挨拶
この度、第51回日本毒性学会学術年会を2024年7月3日(水)から5日(金)の3日間にわたり、福岡市の福岡国際会議場にて開催することになりました.今回のテーマは「A new decade for JSOT:日本毒性学会にとっての新たな10年」としました.本学会に所属している私を含めた世代の役割の一つに、毒性学の「継承」があります. 毒性学という分野・学問は農学、基礎および臨床医学、薬学、安全性評価科学等を包括した学際性豊かな社会と密接した異分野融合領域であることから、他学会との連携を可能とする企画委員を産官学から招集し、各分野で著名なスピーカーによる年会長招待講演、特別講演および教育講演だけでなく、魅力的なシンポジウムを企画しました.
「A new decade」には、これまでの10年とは異なる新しいものにしたい、そのような思いが詰まっています.そのためには、タイトルを標榜するだけではなく、行動に移さねばなりません.今大会では、シンポジウムを企画する段階で、オーガナイザーやシンポジストに若手・女性を積極的に採用することを念頭におきました.また、企画委員会に連携する「若手企画委員会」を新たに創設しました.企画創出時から積極的に参加し、様々な経験を介して、次大会以降も中心メンバーとなって活躍して頂けるような人材育成の場にもしたいと考えています.また、副年会長の九州大学薬学部・西田基宏先生の韓国との絆と福岡という地の利を生かして、韓国から本学術年会へ参加を促しています. このような取り組みは地道で歩みが遅いかもしれませんが、10年後を見据えたダイバーシティの拡充に繋がると信じています.本大会がその契機になることを願って止みません.
学術年会開催地となる福岡は西日本において大阪に次ぐ大都市で、全国の中でもトップクラスの食都として知られており、学術以外に食文化も学べる地域です. 中洲や天神界隈では夕方になると「屋台」が設置され、博多独特の夜を楽しむこともできます. また、本学術年会開催後には「博多祇園山笠」という櫛田神社の伝統祭礼が行われることから、飾り山笠を楽しむことも可能でしょう. 福岡にて日本毒性学会が開催されるのは1996年(第23回)以来、実に28年ぶりとなります.久しぶりの福岡における開催を楽しんで頂けますよう、事務局スタッフ一同、頑張ってまいります.本学会の開催にあたり、格段のご理解とご協賛を賜りますよう、心よりお願い申し上げます.
年会長 上原 孝
(岡山大学学術研究院医歯薬学域)